駒ヶ根市民体育館の思い出

駒ヶ根市民体育館にはよく足を運んだ、

この辺りのプロレス興行と言うとあそこが多かったからだ。

今でも謎の一つであるが、かつて存在した団体W☆INGの旗揚げ二戦目の興行があった。

旗揚げ戦を後楽園ホールで行い、翌日駒ヶ根までやってきた。

何故駒ヶ根でと思いながらも出かけた、

日本人と言うか、いわゆる正規軍が全くの無名選手ばかり(当時)で、お前誰なんだ状態であった。

FMWで悪役をやっていたミスターポーゴと、マネージャーのビクターキニョネスが独立した形で作った団体で、彼らのネームバリューだけでこの団体は発進した。

興行として成り立たせる為の話題性として、メキシコから有名マスクマンも呼んだが、格闘技色も出したりと最初は方向性もよくわからなかった。

あまり期待をしていかなかったが、そこで意外な展開に。

当日のカードも覚えていないのだがメインが偉い盛り上がったと記憶している、パンフもあるのだが、残念ながらカード欄はない。

勿論ポーゴはメインに登場だが、エースの一人としてリングに上がった青年が会場を盛り上げた。その青年は格闘三兄弟の一人として初お目見えした斉藤彰俊選手だった。

そして一緒に観戦した友人がリングサイドで激を飛ばす青年も強烈に覚えているらしいのだ。それが金村ひろゆき、(きんたろー)選手である。

当時二人はあの誠心会館所属という間柄だったのだ、

八面六臂の活躍をした無名の斉藤は駒ヶ根でヒーローとなった。

試合後正面入り口、売店の前にきて彼は頭をさげこう言った。

「これから一生懸命がんばりますので、応援よろしくお願いします。」

そこで大歓声と拍手が沸き起こった。

無名の新人が、これがあるからプロレスは面白い、その後の斉藤選手の活躍は皆が知るところだ。

あっそれから、この団体に関わり馬場さんに不義理をしてしまった、その後真ともに会えなくなったと語った、レフリーのウォーリィー山口氏は若い奥さんと、小さな子供を連れて巡業に来ていた。ついでに書いておく。

              ビクターキニョネス氏のサイン